第一章
次の瞬間、ダークマリオの手のひらに黒い光が宿っていき、やがて、ダークリンク目掛けて漆黒の炎の柱が放たれた。
すると、ダークリンクはタブーの後ろに隠れて。タブーは終始押し黙ったまま、向かってくる炎を見つめていた。が、刹那。
ドカン!
ギリギリでタブーは青紫色のバリアを張り巡らせると、漆黒の炎を弾いて。間もなく爆発が起きて、黒煙が辺りに立ち込める。
「よし」
全てはダークリンクの計算通りだった。
タブーは肉弾戦を苦手とする代わりに、魔法力は誰よりも長けている。ひ弱な本体を守る為なら、一滴の魔力も惜しみ無く防壁に回す、とこう考えていたのだ。
「かっ勘違いするなよ! 今回は仕方なく、お前を頼ってやったんだからな!」
別に聞かれてもいないのに、タブーがゆっくりと振り向いたのを見たダークリンクは咄嗟に早口でそう告げて。