エピローグ
「お母様の受け売りかしら」
「そうかもね」
リムはくすくすと笑って。
「……私には分からないわ」
ダークプリンは子供達を遠目に眺める。
「母親に与えられる知識も、それによって生まれる想いも。どうしてそこまで意地になれるのか、私には理解が」
「知ろうとしなければ分からないものよ」
リムは続けて、
「想いも」
ダークプリンはリムを見下ろす。
「出来るのかしら」
「もちろん」
リムはにこりと笑いかける。
「だって同じ、人間でしょう?」
――面白いけど、それ以上に愚かだわ。
「……真逆だって言うけれど」
「えっ」
「覚えてあげてもいいのよ。その歌」
リムは一瞬、目を丸くしたが。
「……お安い御用よ」
やがて嬉しそうにそう返すと、胸に手を置き、リムは再びあの子守唄を歌い始めた。