エピローグ
脅しか、それとも本心か。
「……言ったよな」
スピカが視線を送った先で、ダークリンクは木の枝に腰掛けていた。ふいと顔を背ける彼に構わず、スピカは続ける。
「俺はダークシャドウだ、って」
そしてまた、歩き出す。
「かっこいいねえ、さっすがリーダー」
「まあ、リーダーですから」
スピカを囲うように影から現れたのは、ダークフォックスとダークファルコ。
「……置いてくぞ、阿呆」
「あっ」
それまで立ち尽くしていたダークウルフを振り返り、スピカはいつもの調子で声をかける。それでも何処か躊躇した様子のダークウルフに、スピカは背を向けて。
「……それと」
ダークウルフは小首を傾げる。
「た、……ただいま……」
恥ずかしそうに、ぼそぼそと小さな声で。
「デレたぁああ!」
「うっ」
すかさず、ダークフォックスが飛び付いた。スピカの顔は見事に真っ赤である。
「っ……はい!」
ダークウルフも飛び切りの笑顔で。
「おかえりなさい、リーダー!」