エピローグ
「……よし、」
それまで両膝に手を付いて息を弾ませていたスピカだったが、不意に声を洩らすと姿勢を伸ばしつつ付着した砂を払って。
「今日はこの辺にしといてやる!」
スピカは続けて、
「次はこうはいかねえっ!」
お前は小物の悪役か、と。
が、突っ込むよりも先にルーティは小さく吹き出してしまった。スピカはむっとしていたが、すぐにそれも微笑へと変わって。
「……奪うのは無しだ。でも」
「殺す覚悟で。僕、いつだって本気だよ」
ルーティの目に嘘はなかった。
「俺には俺の」
「僕には僕の」
正義がある――
「……じゃあな。お大事に」
悪夢の再来は認めない。
もう二度と、繰り返されないようにと胸に誓う。己の正義を全うし、世界の秩序を正す為……刃を交えることもあるだろう。
その時は。
ルー。俺はダークシャドウのリーダーとして、お前の最高の友として、迎え撃つ――