エピローグ



「――俺、何処かで意地になってた」

スピカは腕を下ろして。

「それが誰の為でも、人を殺めるのだけは違うんだって、否定してた。だから、手慣れたあいつらの行いが許せなくて」

ルーティは小さく頷いて。

「……そうだね。君は優しかった」


故に、甘すぎた――


「お前は、さ。自分のやってる行いは正義なんだって、胸張って言えるか?」
「もちろん!」

即答だった。

スピカは一瞬驚いたように目を丸くしていたが、くすっと小さく笑みを溢して。

「俺、否定したくねえよ。あいつらが今までにどんな行いをしてきたんだとしても、そんなのは駄目だとか、嫌だとか」

無知な彼らにはそれが正義だったんだ。

だったら、俺は否定することなく寧ろ尊重してやりたい。だって、俺は――

「……ルー!」

スピカは勢いよく指差して。

「俺と勝負しろ!」
 
 
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