エピローグ
「はいはい、こっちこっち!」
「ぴ、ピチカ?」
引き摺られるようにして洗面所へ。
「あら。おはよう、ルーティ」
そこにいたのはピーチである。
他にもゼルダ、サムス、リムと女性陣が洗面所を占拠していて、ルーティはそのまま、ピチカに連れられるがままに、
「はい、ちゃんと顔洗って!」
鏡の前へ。
「分かったよ……」
そんなにすっきりしない顔をしていたのだろうか。苦笑を浮かべながら、ルーティは蛇口を捻り、水を掬って顔を洗う。
「髪は僕が整えたげるー!」
「もう。お人形さんじゃないのよ?」
「ルーティ」
蛇口を逆に捻って水を止めると、サムスがタオルを手渡してきて。「ありがと」と受け取り、顔を拭きながら鏡に目を向ける。
「……無い」
「え?」
自分もどうしてそう発言したのか分からなかった。が、何故か直感で思ったのだ。
何かが無くなってしまっている、と。