第一章



「……ざけんな」

奥歯を噛み締め、スピカは握った拳を震わせながらぽつり、と呟いた。

「ふざけんな!」

その声は辺りに響き渡り、静寂が訪れた。

ダークルイージとダークリンクはきょとんとして、苛立っている様子のスピカを同時に見つめる。スピカは回り込んで。

「違うことはない!」

自分の胸を平手で叩き、目の前のダークリンクを睨み付けながら語気を強める。

「俺だってダークシャドウだ!」

ぐっと服を握り締めて。

「言っただろ。俺がリーダーで、即ちルールなんだ! だから、生きろとか死ぬなとか勝手に決めるな! 勝手に……っ」

スピカは悔しそうに顔を歪めて、胸に添えていた腕を下ろし、俯きながら。

「勝手に……死ぬな……っ」

ダークリンクは目を見開いた。

改めて自分達は想われているのだと痛感すると、スピカにゆっくりと歩み寄って。
 
 
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