第七章



ルーティは目を丸くして。

「え……?」
「お前がいたから、ラディスは死んだんだ。お前と、その先の未来の為にラディスは己の命を捨てた。……そして、お前は」

フォックスは笑って。

「俺達を捨てて、自分の未来を守るんだろ? 本当は俺達のことどうでもいい癖に」
「そんなっ、フォックス!」
「はっ。言い訳かよ……くだらねえな」

次に声がしたと思って振り返れば、そこにはファルコがいた。次々とX部隊のメンバーが現れ、ルーティは戸惑いを隠せないまま、ゆっくりと辺りを見回して。

「それじゃあルーティはぁ、これから僕達を一人一人悪夢の中から救い出してくれるんですかぁ?」

ヨッシーが訊ねる。

「それ、は」
「じゃあ嘘つきだね」
「嘘つきなのね」

ポポとナナが口々に責めれば、ルーティは頭を抱えて。――何で、そんなこと。

「ベンゼルを倒したって、俺達が助かるという保障はない。だが、放っておけばいずれ自分が犠牲になってしまう」

やめて、マリオ。

「物は言い様だね。僕達を助けるなんて言いながら、本当は自分のことで手一杯なんじゃないか。ね、そうなんでしょ?」

ルイージ。
 
 
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