第五章



――何とか、逃げ切った。

「うおっ」

空中に現れたタブーが翼を広げると、まず初めにネロが落ちてきて。続いてリオン、ユウ、ルーティ、リムが積み重なる。

「ぐあ……ぁ、重い……」

当然、ネロは下敷き状態。

「くふっ……これが、幸せの重み……」
「苦し……死ぬ……」
「変わってやろうか?」
「何でだよ! どっちにしろ重いだろ!」

二段目のリオンとそんなくだらないやり取りをするネロだったが、いい加減可哀想なので次々と退き、地面に下りて。

「世界を救う前に殺す気かよ……」
「重いのは私じゃないわよ」
「じゃあ誰が重いってんだよ」
「何ですって?」

にこにこと笑いながらリムはネロの後ろに回り込み、こめかみを拳でぐりぐりぐり。

「あででででっ!」
 
 
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