第五章



リンクの後ろで苦しそうに表情を歪めていたリオンが、不意に力尽きたかのように頭を垂れた。リムははっと息を呑んで。

リオンが意識を失ったことを確認すると、ダークフォックスがリンクに呼び掛け、ようやく演奏は中断された。

「ほぅら。やっぱり見捨てた」

タブーがバリアの魔法を解除すると、リンクはにたりと笑って。ネロはユウの胸ぐらを手荒く離し、顔を背ける。

「哀れだねぇ……自分達が良けりゃいいんだろ? 結局、人間ってのはよぉ」

にやにやと笑いながら軽薄な態度で責め立てるのはダークフォックスである。

「仲間とかパートナーとか、こうして隔離されちまえば別モンだもんなあ。自分達とは関係ねえもんなあ……?」
「ばっかみたぁい。嘘がお上手ね」

同じように嘲るのはダークピチューである。当然、誰も言い返すこともなく拳を握っていたのだが……ただ、一人だけ。

ユウだけは、違っていた。
 
 
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