第五章
――神頼みってやつか。
タブーが言っているのは恐らく、マスターのことだ。この世界を創造したと云われる彼なら、その楽譜を作れるかもしれない。
「そんなに上手くいくかよ」
ネロの言う通りである。
この世の神だと認めたくない程の意地の悪さだ。これに付け込んで、何かあくどい条件を出してくるに決まっている……
「そこまで辿り着ければいいけど」
殺気。直後、バチバチと電気の擦れる音がして緊張が高まる。ルーティは咄嗟に、
「屈んで!」
バチバチバチッ!
間一髪、黒い稲妻が頭上を走り抜ける。
放たれた方向を見ると、そこにはダークピチューの姿が。にやりと口角を吊り上げるその姿に、ルーティは目を開く。
――僕が知っているダークシャドウじゃない。あれは……まるで魔物のような……