第五章
つまりは、そういうことだ。
ダークスコアと対となるもう一枚の楽譜を手に入れ、その曲を奏でてしまえばきっと、ベンゼルを封じ込めることが出来る。
とはいえ、そんなものが簡単に手に入るはずが……確かにダークスコアはここで見付けたが、もう一枚に寄せる期待値は薄い。
それに、仮にこの図書館にあったとして、探し出すのにどれくらいの時間がかかるのだろう。ルーティは溜め息を吐いて。
「みつからない?」
タブーは絵本を読みながら椅子に腰掛け、足をぶらぶらさせながら訊ねて。
「ああ。見つかる気配ゼロだっての」
お前は呑気でいいよな、と言いたげにネロは腰に手を当て、タブーを見つめる。
するとタブー、ぱたりと絵本を閉じては。
「ないんだ。だったら」
にこり、と笑って。
「つくってもらったらいいよ」