第四章
「だからって、どうすんだよ……!」
ファルコはドンキーの胸ぐらを掴んで。
「あの破片が放たれれば、死ぬのは俺達なんだぞ! そうまでしてあいつを生かさなきゃいけないってのかよ!」
ファルコの言い分が分からなくもない。
スピカが特別といってもそれは、一部のポケモン組に限られたことだし、ダークシャドウに関しては以ての外。
何より、優先するなら自分の命だ。そうでなくては、何も守れないのだから。
「――来るぜ!」
ウルフが告げると、ファルコは突き放すようにドンキーを解放して立ち上がり。
「っちょ、あかんて言うとんのに」
「黙りな」
ウルフはふんと鼻を鳴らして。
「戦士とはそういうものだ」
ドンキーを尻目に。
「守る為には殺さなきゃいけねえんだよ」
そう言い放ち、ウルフは反射バリアを作り出す小型装置にそっと片手を翳す。