第四章
「あくむ」
ぽつり、とタブーが呟いて。
どういうことだと誰もが注目したが、タブーは微笑を浮かべ、それ以上は口にせず。
「つーか、そいつとスピカが来た理由も、まだはっきりしてねーんだよなぁ?」
ファルコはタブーを睨み付けて。
現時点で分かっているのは、スピカは眠らされ、途中までダークリンクに連れられていたこと。――何かから逃げるように。
しかし……タブーは仕方ないだろうが、スピカでさえこの事について何も言わない。
一体、何を隠していると言うのか。
「とにかく!」
ドンキーはぱんっと手を打って。
「今は外に出ん方がええ。よう分からんけど、何か起こっとるに違いないからなぁ」
そう言って、ドンキーは足を組んで窓の外へ目を向ける。外には間もなく雨が降りだし、静かなリビングに雨の音が響く。