第四章
◆第四章『黒ずんだ正義』
「……じゃあ、頼んだわね」
ここは、リムとピチカの部屋。
泣き疲れてしまったらしいピチカをベッドに寝かし付けたリムは、後のことを兄であるスピカに任せ、部屋を後にした。
「リム」
部屋の外で待ち構えていたのはドンキーである。リムは静かに頷いて。
「――そんで?」
リビング。ソファーに腰掛けているのはリム、ルーティ、フォックス、向かい側にドンキー、シフォンの五人。
ウルフは壁に腕を組んで寄りかかり、ファルコはフォックスのすぐ後ろに。
ローナ、ネロはタブーを挟むようにリビングの出入口付近に立っている。
「雨が降りだしそうな天気だったから、外に出ている皆を中に入れようと思ったの」
リムは少しだけ顔を俯かせて。
「でも、ピチカしかいなかった。木陰で横たわっているピチカを……私はとりあえず、中に入れてから起こしたんだけど」