お頼み申す!
……さて。
三人は横並びになって問題の店舗の前に立ち竦んでいた。それほど大きくもないはずだが入り口を抜けた先に未知の世界が広がっているのだと思うとそこが巨大要塞か何かのようにも思えてくる。
それにしても。
「め、目のやり場に困る外観だね……」
気まずそうにマークが呟くのもまあ無理もない話で。前面硝子には外から中の様子が窺えないように幾つか大きめのポスターが貼られている。それというのがアウトとは言わないまでも前述の通り目のやり場に困る、セーフラインぎりぎりの形容し難いポスターなのだ。
「女の子ってこんな、柔らかそうな体の作りしてるんだね……」
何の気なしにぽつりと呟いたシュルクを弾かれたようにマークが見た。
「は……早く中に入ろう!」
「さては動揺しているで御座るな?」
「してないッ!」
目を丸くするシュルクにひと睨み置いてマークは入り口に立つ。……ところが、どうしたことかドアは開かない。
「マーク、」
「うっうるさい! 動揺なんか――」
「プレートを押さなきゃ開かないよ?」
……。
ほんの数秒の間を置いて。
マークはそっとプレートを押した。