お頼み申す!
――齢十八を迎えたら誰しも一度はこの足をもって踏み入れてやらねばと決意を固める場所というものがあるだろう。
十八歳未満立ち入り禁止とまで警告され時として身分証の提示まで要求されるという淡く色めく大人だけの世界。
……その名も。
アダルトショップ。
「んなわけあるかっ!」
つっこまれた。
「な、ナレーションにつっこみを入れるなんて言語道断で御座る!」
「そういう問題じゃない、このむっつり忍者!」
ずがぁん!
「よ、よくも言ったなマーク!」
発言にショックを受けたのと同時ずれた眼鏡を直して指をさす。
「そっちだって! 魔道書カバーで隠しながら官能小説を読んでるくせに!」
「な、なんで君がそれを」
「このむっつり軍師!」
「おっ落ち着きなって二人共――」
「黙れむっつり研究員!」
ざわざわ……
いつの間にか街を行き交う人の足を止めいらぬ注目を集めていたことに気付き、三人は冷や汗がたらり。
「……行こうか」
「そうだね」
そう言ってマークとシュルクはミカゲの服の背を掴むと引きずるようにして。
「あの路地裏から抜けよう」
「ちょ、待つで御座るよ二人共! これじゃ不良にたかられる根暗オタクみたいだからあぁあああ!?」