お頼み申す!



レイアーゼ都市、噴水広場。

暗殺業務も受け持つ冷徹忍者などといった肩書きも今日ばかりは忍装束と一緒に脱ぎ捨てて着こなすのは黒のVネックにチェック柄の上着とジーンズ。

ろくに整えてもいないぼさっとした頭は我が部隊隊長に負けず劣らずそれでいて瓶底眼鏡にリュックサックまで背負っているのでは誰も前述の通り冷徹忍者の肩書きを持つあのミカゲとは気付くまい。

ふっふっふ。あの二人も隅に置けないで御座るなぁ好意の相手の名前をちょっと挙げられたくらいで。

仲間をだしに使うなんてこと自体正義のポリシーに反するのは確かだが。

今回ばかりは話が違う。


「……!」


気配を感じた。

自分には露ほども窺えない他を圧倒して魅了させるオーラというものを。

「シュルク! マーク!」

頼もしい仲間が――

「何故サングラス!」

思わず声に出してずっこけた。

「なんでサングラスで御座るかぁっ!」

起き上がり、改めて。

「目立ちたくないからに決まってるだろ……!」
「逆効果で御座るよ! 何処ぞのお忍びアイドルで御座るかおまいらはぁっ!」

ミカゲは声を押し殺しながら。

「拙者だってなるべく目立ちたくないのに……!」
 
 
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