走れ!真夏のヒーロー!
どさくさ紛れに評価するミカゲにパックマンがつっこみ。
「……てか」
引き続きじとっとした目で、
「なんだよその格好」
見ればミカゲは黒のサーフパンツに上半身は白のラッシュパーカーといった格好である。
「事務所NGかよ」
「ちちちっ違うで御座る!」
ミカゲは慌てて否定して、
「日焼けしたくないだけで御座るよ」
「お前もか!」
どいつもこいつもうちの男子は!
一方で。
「どうかしら」
ルフレは視線を受けてまごつくルキナの手を掴んで引っ張り出すと後ろから肩を掴んでにやりと笑み。
「私が選んだのよ」
な、なんて大胆なものを。
「マーク……」
そしてどうして君が赤くなるんだ。
何とか言いなよとばかりにこちらを見るシュルクに気持ちが焦る。ふと視線を戻せばルキナも頬を紅潮させて遠慮がちに見上げていた。それが心なしか上目遣いにも見えてしまって、もう。
「に、似合ってるよ……」
「ほっ本当ですか?」
「うん……」
拳を口元にやってたまらず目を逸らす。
「……可愛いよ」
頭がくらくらして溶けそうだ。
これだから夏は熱くなっていけない。