走れ!真夏のヒーロー!
……程なく。蒼の孤島アクエスの浜辺の平和を脅かしていた犯人達はフォーエス部隊の活躍により無事捕まった。
つまり。
これで自由に遊べる!
「し、シュルク!」
マークは声を上げた。
「離せって言ってるだろ!」
というのもこれは意外なことに泳ぎが然程得意ではないマークをシュルクが面白がって浅瀬から深い所へ連れていこうと腕を引くので騒いでいるのである。
「溺れたらどうするんだ……!」
と、言っている間。
「――うわあっ!?」
足を滑らせたのではなく後ろから。
「ルフレ!」
「あははははっ!」
浅瀬に見事顔面から突っ込んだマークはすかさず起き上がると逃げるルフレを足を縺れさせながら追いかけて。楽しそうな笑い声を上げるシュルクのその傍ら。
「楽しんでいますか?」
ビーチボールを抱え眺めていたブラピに声をかけたのはパルテナ。
「……別に」
弾ける水の玉が光を受けてキラキラと。
「私たちも行きましょうか!」
「なっ、おい!」
腕を引かれて駆ける夏。
来年もまた。
斯くして事件解決により得た本当のバカンスを心置きなく楽しんだ第四正義部隊フォーエス部隊だったが。
「や、焼けたね……」
そのほとんどの隊員が見事こんがり肌を焼いて帰ってきたのは。
真夏の太陽からの贈り物ということで。
end.
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