走れ!真夏のヒーロー!



その時。舌打ちをした今回の犯人の男が隙を見て駆け出した。その先にいたハルとトレーナーの間を抜けたが二人は振り返っただけ。

「追いかけないと!」
「大丈夫だよ」

ハルが冷静に答えた。


「ぎゃああぁあああ!?」


直後空を劈く男の悲鳴に驚いてマークとシュルクは顔を見合わせた。

「なっ……なっ……」

シラヌイとモウカの手を借りながら駆けつけたその先で。

「何だそれはああぁあ!」

へたり込んだ男が指差したのは。

「リュウグウノツカイだが?」


深海魚。


「ほら。デメニギスもいるぞ」
「ひいぃいいっ!」

うちの隊長は深海まで潜れるのか……

「やっぱりあれって」
「素潜りだよ」

もはや何でもありだな。

「お前のようなヒーローがあるかああぁあああ!」

ごもっともです!
 
 
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