走れ!真夏のヒーロー!



次なる影は。

「どぉおりゃああぁあ!」

声と共に頭上から――

「いでっ」


空き缶。


「――今じゃ!」

声に釣られて男達が振り向く。

「ゆけっブラピ!」

本命は。


逆光を浴びて空に。


「――くらえ、悪党ども!」

次の瞬間。

「あだだだっ!?」

降り注いだのは矢の群れではなく浜辺で拾い集めたと思しき貝殻。それを、普段着のキトンで包んで此処まで持ち運び、空中から一気に放ったらしい。

「って、ブラピ!」

マークは思わず叫んだ。

「何も羽織ってこなかったのか!」

着地したブラピは眉を寄せて。

「……下着じゃないから恥ずかしくないだろ」

どっかで聞いたことある!
 
 
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