走れ!真夏のヒーロー!
「弱りましたね」
困り顔で腕を組むパルテナもルキナと同じく上の水着だけ盗られてしまったようだった。ただ彼女の場合は元よりワンピースタイプのパレオであった為Tシャツを着てはいなかったのだが、幸か不幸か透け素材なのでいくらパルテナが組んだ腕で丁度よく隠しているとはいっても、肌色が透けて……見え……
「おい」
ぎくりと肩を跳ねる。
「何を見ている」
「せ、拙者は何も見ていないで御座る」
疑いの目を向けられながら咳払い。
「……とにかくこれは情操教育上宜しくない目のやり場に困る事件で御座るな」
男性陣はうんうんと頷いて。
「どうするんだ」
「手掛かりもないからね……」
「囮はどうだ」
「うーん。ターゲットに共通点があればそれも考えたんだけど」
犠牲だけ増やして手詰まりとは。
いっそのことビーチを封鎖して荒療治に出るといった線もあったがそれはそれで正義としての威厳に欠ける……
「お前たち」
はっと振り向いた。
「ロック隊長!」
「どこに行ってたんだよ!」
「ちょっと見回りにな」
心配をよそに悪びれた様子もなく。
「何せ、今度の犯人はどうせ捕まらないだろうと見て欲を出している」
ロックマンはちらっと見渡して。
「だからそろそろ、分かりやすくボロが出てくる頃だと思ったんだが――」