走れ!真夏のヒーロー!
澄み渡った青空。真っ白に輝く入道雲。
さざ波の音。砂浜で声を上げてはしゃぐ小麦色の肌の群れ……
潮風を全身に浴びながら流れる髪を指に絡めて払う。大きく息を吸い込んで。
「海ーッ!」
――常夏の楽園、蒼の孤島アクエス。
誰もが憧れる夢のリゾート地に、オレ達フォーエス部隊はこの度長期休暇を確保しまして――なんと。
バカンスに来ています!
「おおっ人がゴミのようじゃ!」
正午を過ぎていないのにこの人の多さときたら。思わず叫ぶシラヌイは感動しているのか否か。
「泳いでよいのじゃな!?」
「あまり遠くまで行きすぎるなよ」
ドクターが注意を促すがこの人の方が年上なんじゃないのか。
「じゃあパックマンがいちばーん、」
「お前たち」
はしゃぐ隊員に鶴の一声。
「気持ちは分かるが本来の目的を忘れてはいないだろうな」
ロックマンはすっと視線を上げる。
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