乱立!ラブフラグ!
「うっ」
成る程あの映画はああいうオチなのか。まさか、ああなるとは。
「大丈夫か?」
映画館から出てきたパックマンはそれはもうぐずぐずと泣いていた。どうせあの映画のラストなんてホモ特有のトンデモご都合主義展開でハッピーエンドとかそんなものだと高を括っていたのに、予想を上回る展開運びに見る目も離せず結果としてぼろぼろと泣く羽目になってしまった。
「……別に平気だしっ」
何か悔しい。
「てーかお前ティッシュくらい持ってないのかよ」
「それは八つ当たりか?」
「違うし、衛生的な問題だよ!」
ロックマンは短く息をつくと辺りを見渡して。
「……そこのコンビニにでも寄るか」
自動ドアが開いて直ぐにパックマンは早足で日用品コーナーへと向かい、ポケットティッシュを購入した。せっかくのデートなのにこんな鼻水だらだらでいてたまるかっ。そんなの周りから見たら振られたみたいじゃんか。
コンビニから出ると早速ティッシュを二枚ほど重ねてパックマンは鼻をかんだ。ああもう情けない。でも何だかんだ面白かったかも……そう思いながらティッシュを丸めてゴミ箱に捨てるとロックマンがコンビニから出てきた。
「見つかったか?」
「まあ。……ロックは何か買ったの?」
「ゴムを買ってきた」
……ん?
「初めて購入したが使ってみるのが楽しみだ」
もしかしてだけど、オレ。
今夜辺りこいつに犯られるんじゃね――?