乱立!ラブフラグ!
「好きだ、ロビン!」
濃厚なホモシーンが炸裂してるんですがそれは。
「ま、待ってくれ僕たちは――」
「いいや待てない。もう待たないぞ」
確かに見るなら恋愛映画かなとは思ったけども!
「お前を愛している……」
「あっ……!」
どうりで客席が空いているわけだよ誰が好きこのんで見るんだよこの映画。
……いやいるな。しかも隣に。綺麗な姿勢で見入ってる人が。
見様によっては面白いってことか。有名貴族の男と、その男に新しく仕えることになった使用人の男との恋の行方を描いたラブストーリー。設定としては有りそうで無さそうで有りそうなものなので興味を惹かれる。ただ彼のように見入ってしまうのかといえば別で、前述の通り割と濃厚なので目のやり場に困るのが難点。
……よくよく考えてもみればこいつ、告白した時は男同士がどうこう言ってなかったっけ? あれ。こういうのって普通にアウトなんじゃないの?
「パック」
思わず肩を跳ねた。
「お前はこういうのが好きか?」
なんて質問だ。
「……嫌いじゃないけど」
ぼそりと返すと、視線はそのままにそうか、とだけ返して無言。
えっ。何だったんだ今の質問。