乱立!ラブフラグ!
ずるずる、と麺を啜って。
「伸びてるじゃん……」
入れ替わりでロックマンがシャワーを浴びている隙にパックマンはぶつくさと呟きながら食事を済ませた。ふと見れば、ロックマンの頼んだドリンクのグラスが空になっている。ローテーブルの上にはこの他にもフライドポテトや枝豆が並んでいるが、いちいちメニューのチョイスがオッサン臭いのは気のせいだろうか。
そういえば何歳なんだろう。聞けば聞き返されそうだし聞かないけど。
「……?」
グラスが隔てて分からなかったがソファーの背凭れに体を投げ出したその時初めて視界に捉えた。どうやら錠剤を入れていた容器のようである。体を起こして裏面を返して見ると錠剤の正体が分かった。
精力剤。
ここまで来ると驚く気にもなれなかった。……あんな澄ました顔をしておきながら色んなものに頼ってまで、案外不安だったんだな。
そりゃそうか。あいつ自身言ってた、パックマンは経験者だからって。
嫌とか、そんなわけがあるか。
だってパックマンは――
「……ん」
暫くして石鹸の匂いをまとわせながらロックマンは戻ってきた。
「どうした?」
訝しげに見つめる先ではパックマンがベッドの縁に腰を下ろしている。
「ロック」
視線をうろうろと彷徨わせながら。
「……しよっか」