乱立!ラブフラグ!
ああぁああああぁあっ!
とまあ叫びはしないが。シャワーの音に掻き消されてあちら側に聞こえないというのなら本気で叫び散らしたい気分だ。
パックマンは頭を洗うために乱雑に動かしていた手をピタッと止めて。
……あいつが攻めなんだよな。正義主義の硬派で、温厚で人当たりが良いけど内に秘めた影は深くて。だけどオレはそんな表にも裏にも惹かれてて。そんなあいつが攻める側だとしたら一体どんな表情で、どんな言葉で触れてくれるのだろう。
少し考えて。
胸の奥に疼きを覚えた。
「……パック?」
「うわああぁあああ!?」
叫んだ。
「そんなに驚くことないだろう」
吐きそうな勢いで心臓が鳴っている。
「料理が届いたからな。知らせておこうと思ったんだ」
「そっそんなのわざわざ言いに来なくていいよ!」
「でないと長風呂して料理が冷めるだろう」
そういえば、自分はメニューを選ぶ前に飛び出してしまったのだった。
「なに頼んだんだよ」
麺類じゃないだろうな。
「塩ラーメン」
「なんでだよ!」
慌てて上がったのは言うまでもない。