乱立!ラブフラグ!
それから、二人は色んな所を見て回った。
誰より交際経験が豊富であるパックマンにとってはいずれも何度か訪れたことがある見慣れた場所ばかりだったが、一緒に来る人間が違うだけでこうも景色が変わるものかと素直に思った。
……やっぱり、来てよかったな。
「は?」
パックマンは思わずそんな素っ頓狂な声を上げた。
「寮には戻らないって」
「ホテルに予約を入れてあるからな」
腕時計を確認してからロックマンは歩き出す。
「ちょっ」
「心配するな。今日は宿泊すると言ってある」
「そうじゃなくて! なんでまたホテルなんか……」
どうせ都内なら寮に戻った方が金銭的な面でも優しいのに、と。妙に真面目くさって考えていたその直後に度重なるロックマンの意味深な言動の数々が過る。
……まさか。
「面白そうなホテルを見つけたんだ」
ロックマンは歩きながら嬉々として語る。
「価格も手頃だし、割に部屋の見た目は高級ホテルのスイートルームと大差ない」
「あ、あのさ。それってその、あれじゃないよね」
引き気味に質問を飛ばすがロックマンはすたすたと歩いていく。
「ちょっと――」
呼び止めようとすれば。
「っぶあ」
「……何をしているんだ?」
急に立ち止まったロックマンの背中に衝突。
「それより着いたぞ」
パックマンが恐る恐る見上げた先には。
「……あ」
やっぱりラブホじゃねえかあぁああ!