レッドさん落ち着いて!



「大丈夫?」

やっぱりかああぁあああ!(二回目)

「だっ、だだ、大丈夫」

平気平気とは返したが実際そうではない。水が視界に入らないよう黒い布を巻いて目隠しをしているもののそれで完全に気にならなくなるというはずもなく、端から見ても分かりやすいように冷や汗が浮かび、微かに震えて声もうわずっている。

それでも普段は幾らかマシだ。人が居ない時間帯を狙って入るものだから他三人が気を遣って必要以上に水の音を立てない(悪戯されることも少なくないが)。

けれど、今回は。

「なになにシャワー浴びるの?」
「ぎゃああぁあああ!?」

意地悪な連中が勢揃い。

「かかかっカービィかお前」
「残念でした。僕こっち」
「ひぎゃああぁあっ!?」

背後からシャワーを当てられれば二度目の悲鳴。

「ふ、ふざけ……っふざけんな……おえっ……」

大ダメージ。

「控えてくれると嬉しいんだけど」

震えながら必死に腕にしがみつき今にも倒れそうなネロを横目にレッドは苦笑い。はいはーい、と笑ってカービィは退散したが反省の色は窺えず。

何を考えてるんだレッドは! お前しか頼る相手が居ないってのに!


もう少し強気になってくれよ頼むから――!
 
 
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