ハツジョウ禁止!リターンズ!
――銃声が鳴り響いた。
銃口から白い煙を上げる二丁の遊戯銃を構えた姿勢のまま、ウルフはその鋭い眼孔で決して目を逸らさず。……程なくして。ふっとミカゲの腕の力が緩み、ルーティが解放された。よろけながらも着地して両手を拘束するマフラーも身を捩ることで難なく解き、ちらちらと窺いながらウルフの元へ。
「ぁ」
小さく声を洩らしたミカゲがゆっくりと床に両膝を付いて横たわったのはもう間もなくのことだった。そしてその背後、距離を置いて銃を構えていたのは。
「……リオン」
双眸が金を失って元の紫色に戻ると同時にユウは降り立った。足下に転がったミカゲを荒く足で転がしてみれば。……ぐるぐると。目が、渦を巻いている。
「ユウ、助けに」
「来るのが遅い」
そしてこの仕打ち。
「あぅんっ!」
「最初からそいつの一撃だけが目的だったってわけか」
リオンを踏み倒すユウを横目にウルフはふんと鼻を鳴らす。
「……さあ。どうだかな」
斯くしてルーティ達の活躍により『正義部隊救出作戦』の目標は無事に達成され、『フォーエス部隊』のメンバーも正気を取り戻し、事なきを得たのだが……
「あらマリオ。どうしたの?」
「ルイージさん具合が悪いんですかぁ?」
ピーチとヨッシーが口々に訊ねるのを腰を摩りながら。
「……何でもない」
発情期なんて。
end.
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