ハツジョウ禁止!リターンズ!
言うが早いか銃声が一発。
「くっ」
けれどさすがは忍びを志す者、ルーティを腕に抱えて難なく――躱した。
ウルフは止まず、二発目の銃弾をお見舞いする。だがミカゲは口元に薄く笑みを浮かべると一瞬にして姿を掻き消して。その場に残されたのは丸太が平常心を煽る。降り立つ僅かな音に振り向けば、にたにたと。
「くそっ」
……あと一発。
「惑わされるな」
「んなこと」
遮るように差し出された、ユウの遊戯銃。
「こいつはもう一発しか残っていない」
半ば押し付けるように握らせて。
「が、貴様のと合わせれば二発だ」
「てめえ、」
「後は任せたぞ」
そう言うや否やユウは駆け出した。――隙を作ろうというのだ。
かっこつけのトリさんじゃああるまいし二丁も同時に銃を扱うなんて荒技は普段絶対にしないのだが確実に当てる為なら止むを得ない……銃を構えるウルフを背に、ユウは両の目を金色に瞬かせた。軽く蹴り出せばそれだけでふわりと浮かび上がり正面から、ミカゲに踵落としを仕掛ける。
けれど躱された。想定内。距離を置かれないよう更に接近しつつ回し蹴りと直ぐ様脚を返して逆回転の回し蹴り。右、左、躱して、飛び退いた。
「ウルフ!」