ハツジョウ禁止!リターンズ!
ウルフは目を細めた。
「飼い主が、感心しねえな」
「……何の話だ」
「ペットは野放しか」
ユウは一度瞼を下ろして短く息をつくと、開いて。
「……その言葉。そっくりそのまま返そう」
「なんだと」
「後ろを見てみろ」
ウルフが恐る恐る振り返ると。
「はあ……はあ……小さい……柔らかい……っ」
おいいぃいいいっ!?
「うっウルフ……!」
「パートナーが感心しないな」
「じゃねえだろなんで言わなかった!」
一体いつの間に捕まってしまったのか。見ればルーティは今回のターゲットであるミカゲに捕まっていたのである。忍び装束を身に纏った彼が首に巻く赤いマフラーに両手を取られ、後はお察しの通り二人の見ている傍でうなじに顔を埋めて匂いを嗅いだり、太ももから内腿にかけて撫で回したりエトセトラ。
「気付いていなかったのか」
「この反応を見りゃ分かるだろ!」
と、くだらないやり取りをしている間にも。
「いい匂い……は、肌もすべすべで御座るなぁルーティ……」
リオンと違う恐怖を感じる。
「くっ」
ウルフは顔を顰めて銃を構えた。
「動くなよ、ルーティ!」