ハツジョウ禁止!リターンズ!
甘い息遣い。
「……ルーティ」
かけられた体重に小さく声を上げるベッド。
「来てくれて、嬉しいよ」
跨がる己の影が差すその人を見下ろして。吐息混じりに、だけど平然を装うようにいつもの柔らかな笑顔で。
「……ロックマン」
「大した歓迎は出来ないがそういうことだろう。自信は無いが」
「あの後ろ」
銃声。
「ウルフ」
気のせいか先程より荒々しく床を踏んで歩く背中に恐る恐ると。
「さっきはありが――ッッひぃ」
睨まれた。
「……チッ」
そして舌打ち。
「てめえは隙が多すぎるんだよ」
「す、すみません」
進んで部屋を訪れたわけでもなく。部屋を横切ろうとしたその次の瞬間、扉が開け放たれ、腕を掴まれたかと思うとそのまま引きずり込まれたのだ。まるで闇に身を潜める獣のような……いや、フェロモンに巻かれた彼らは確かにある意味では腹を空かせた獣であることに変わりはないのだが――
「まずはその弱っちい足腰をだな――」
ウルフはぴたっと足を止めた。ユウと鉢合わせたのである。