ハツジョウ禁止!リターンズ!
「さあどうする? ベタだがオレを倒さないと開かないぜ?」
予め二つに割ってあった神弓の剣、内一つを差し向けながらブラピは笑う。
「それともお前の持ってる玩具(そいつ)を使うか? 見事命中させりゃオレは弾の効果で意識を奪われ、術も解ける――まあ、当たればの話だがな」
……奴はフェロモンにかかっていない。下手に挑発に乗れば躱され弾を無駄に消費することになる。それだけは何としてでも避けたい。なら、どうするか――
「はああぁあああッ!」
えっ?
ユウの視界の端。耳を劈く派手な音を立てて、扉が――吹き飛んだ。きょとんとしているのは向かいのブラピも同じく。恐る恐る振り向いた先。
「……ユウ」
次第に埃が晴れていく。
「助けに」
「おとなしくしていろと言ったはずだ」
足蹴。
「貴様は“待て”も満足にこなせないのか」
「ああっ不躾な駄目犬でごめんなさい……!」
この仕打ちだが対するリオンは大変お喜びの様子である。
「汚いものを見せつけるな」
ブラピも再び頬杖をついて呆れ顔。
「もっと強く罵ってください!」
「……はあ?」
するっと足の下を抜け出たかと思えばブラピの手を握って懇願。やれやれ、主人の目の前で堂々と浮気するとは後で仕置きが……、……。
「リオン」
「ん?」
「そのまま捕まえていろ」