ハツジョウ禁止!リターンズ!
ばたん、と。扉が独りでに……いや待てこの展開――
「捕まえましたよロイさん」
「ぎゃああぁあああ!?」
やっぱりか!
「ルフレ!?」
彼ら双子が同室であるということをすっかり忘れてしまっていた。どいつもこいつもどうして後ろから……と、ロイは身動きが取れない。
「そうですよ?」
ルフレはぎゅうっと抱きついて。
「さあ……私がリザイアでいい夢を見せてあげます……」
「黒魔法でいい夢が見れるか!」
さすがのロイも女の子を突き飛ばすなんて真似はそうそうできない。
「とっても気持ちいいですよ……」
囁きかける声はとても甘美なものだったがそうこうしている間にずるずると。少しの抵抗も見せないほど自分だって馬鹿じゃない、そう思って向かう方向に逆らおうと力を入れたがビクともせず。ちょっと待て女の子だよな!?
「くっ」
フェロモン効果恐るべし。こうなったら!
「マルス!」
発砲音がその間隔を一拍子置いて二発。
「っぶね……」
ロイがマークを、怯んだ隙にマルスがルフレを撃ったのである。
「助かったよロイ」
「俺はあのままでもよかったけどな」
「……、」
「いや冗談だよ銃構えるなって」