ハツジョウ禁止!リターンズ!
「たのもーう!」
先程の衝撃的な光景を目にした苛立ちのまま扉を勢いよく蹴って開く。
「なにやってんだよマルス! さっさと、」
「頼むから落ち着いてくれ!」
ロイは疑問符。……さっきのカービィとは様子が違う。
目を凝らして暗がりを見張っていると、次第にその光景が明らかとなってきた。奥のベッドの上、日光を遮断する閉めきったカーテンをバックに妙に艶めかしく映し出される影に思わずゴクリ。白銀の髪を揺らしてほくそ笑むのは。
「僕は落ち着いているさ……ルキナ」
なんでこいつら揃いも揃って人の顔覚えないんだよ!
「いいから、手を……!」
マルスを押し倒していたのはマークだった。どうやら先手を取られたらしい。
「そう簡単に逃がしはしないよ」
ぐぐ、と顔を近付けて。
「さあルキナ。君は僕の何が欲しい? サンダーソード? ギガファイアー?」
吐息混じりに「それとも」と紡いでマーク。
「エ、ル、ウ、イ、ン、ド?」
意味が分からない。
駄目だこいつ早く何とかしないと。ロイが呆れ顔で足を踏み入れた、その時。