危険なヘアサロン



「ぎゃあああっ!?」

……悲鳴が。

「ユウ!」

すかさずリオンが戸に飛び付く。

「どうした何があった助けを求めるなら縋るような余裕のない声でひとつ」
「それが人を心配する態度かあぁあっ!」


視点、ぐるりと反転して、ユウ。

「響くから騒がないでちょうだい」

シフォンは溜め息を吐いた。確かにその通りなのだ、騒ぎ立てているのは自分だがお陰で耳が痛い。壁際に追い詰められたユウはぐっと言葉に詰まって。

「っ……だったら」

ぶんと腕を払い指をさす。

「その目のやり場に困る破廉恥な格好を何とかしろぉッ!」


……いつの間にか。

シフォンはバスタオル一枚となっていたのである。ずり落ちてしまわないよう留めてあるが彼女の豊乳は歩く度柔らかく揺れて、今にもこぼれ落ちそうだ……

「仕方ないじゃない。髪を洗うのに服を着ていたら濡れてしまうもの」

さっきのリオンの妙な声は髪を洗っていたからか!

「だからって脱ぐことないだろう!」

女相手に手を上げるわけにはいかない。

「観念なさいな」

その間にもじわりじわりと距離は縮まっていき……

「覚悟を決めなくてはいつまでも終わらないわよ」

シフォンはシャワーノズルを手ににっこり。

「……童貞さん?」
 
 
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