危険なヘアサロン
「手間をかけさせたな。お陰で暑苦しくなくなった」
「冬の時期って毛が伸びるのが早いものね」
納得するシフォンにそういうことだ、と返してユウが去ろうとしたその時。
「お待ちなさいな」
三つ編みにしたユウの後ろ髪を……掴んだ。
「っい!?」
既に歩いていたのだから不意打ちでこれでは涙目不可避である。
「何をするんだ!」
「貴方だって暑苦しいわよ」
「放っとけ!」
「手間取らせないでちょうだい」
……ズルズルと。
「度胸があるよね、シフォンって」
「命知らずって言うんだよ」
ネロは冷静にツッコミ。
浴場の戸が閉まるとようやくユウは解放された。
「くっ」
ユウは振り返って、
「おい! 髪を扱うならもう少し丁寧に――」
目の前の光景にギョッとした。