危険なヘアサロン
「絶対やだ」
冒頭からお断りムード。
「そんなボサボサの頭でリーダーが務まるものですか。いらっしゃい」
「いやいやいや!」
ルーティはぶんぶんと首を横に振って。
「なんで僕なの!? 元々髪切るのってローナとピチカだけだったよね!?」
「だから女の子の髪を切ろうとしてるじゃないの」
「僕は男だよ!」
……ぱたん。
「シフォンって口達者というか、強いよね」
「ありゃ性格が悪いだけだ」
ピチカの苦笑混じりの呟きに今度もネロは冷静にツッコミ。
「そこに座って」
浴場の戸が閉まると諦めたのかルーティも素直に言葉に従った。もちろん、濡れたバスチェアーなどではない。ちゃんと、この時の為に用意された椅子である。
「本日はどのようにしますか?」
なんてそれらしく聞いてタオルをルーティの後ろから肩に掛ける。
「カットだけで」
「随分とガードが堅いのね」
「……まぁね」
ルーティはから笑い。