ボク、紹介します!
……どうやらこいつはこの縁談を歓迎していないらしい。
お膳立てというよりは、諦めさせるつもりでついて来たのだろう。
「……ん?」
ということは。
「お前、あの人のことが好きなのか?」
少し訊ねただけなのにビクッと大袈裟に肩を跳ねた。焦りを募らせ否定したかったのだろうが不意打ちで図星を突かれ、はっと開いた口から声が出ない。わなわなと震わせてぱっと顔を背ける。あまりにも分かりやすい仕草に思わずにやけた。
「へぇー」
テーブルに頬杖をついてそうこぼす自分は傍目に見れば年頃の娘をからかう父親に映ったに違いない。ブラピは誤魔化すように酒を口へ運ぶ。
「お前はどうなんだと聞いている」
「……どうって」
ブラピは荒く猪口をテーブルに置いた。
「好きかどうか、答えろ!」
あらら、とカービィは哀れむようにこぼした。何故ならその声が響いた瞬間、ピットの顔色がずんと落ち込んだからである。
「随分と積極的ですね」
その後ろから感心したようにパルテナが追い討ち。
「ブラピったら、人肌が恋しかったのかしら」
「その辺にしときなって」
どんよりオーラを背負うピットのライフはもうゼロである。