ボク、紹介します!



「何するんですかパルテナ様!」 

無茶苦茶な奇跡ほど唐突に解ける。

通路を半分ほど引きずられてようやくピットは解放された。すかさず起き上がって声を上げるピットだったがパルテナは思いの外きょとんとしている。

「貴方が我が儘を言うからですよ?」
「あれの何処がっ」
「……ピット」

小さく息をついて名前を呼ぶ。

「長くパートナーとして戦場を共にしてきたロイと、兄弟のように愛しいブラピ。その両方が自分から離れていってしまう……寂しい気持ちは分かります」

急な展開にピットはぽかんとした。

「けれど貴方は母の心を持って見送らなくてはならない」
「え、あ、パルテナ様? 何を言ってるんですか?」
「分からない貴方に説明してるんですよ」
「意味が分かりません。我が儘とか往生際が悪いとか」
「それは貴方がせっかくの『お見合い』なのに引き際を忘れて居座ろうとするからでしょう」


……お見合い?


「何の話ですか?」

それを訊くとパルテナは呆れたように息をついた。

「自分で言ってたじゃないですか」

ピットは眉を顰める。

「紹介したい人がいます。ブラピも気に入ると思いますー、って」
 
 
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