ボク、紹介します!
体の芯がじんわりと熱を持つ。酒も程よく回ってきた頃。
「……さて」
パルテナはグラスを置くとハンカチで唇を撫でた。
「もういいんですか?」
次は何を頼もうとメニューを広げ悩んでいたピットはきょとんと見つめる。
「はい。後は若い二人にお任せしようと思って」
にこりと笑って立ち上がるパルテナに疑問符が絶えない。
「行きますよ。ピット」
……へ?
「え、ちょ、パルテナ様?」
ロイはロイで猪口を片手にぽかんとしている。
「まだ料理が」
「往生際が悪いですよ」
「二人って」
「拘束の奇跡!」
ぱあっと白い光がピットを襲ったかと思うと一瞬にして縄でぐるぐる巻きにされた挙げ句口を利けないようにガムテープまで貼られて。
「あの、パルテナさん?」
ずるずると引きずられていくピットにロイは笑うに笑えない。
えっなんだこの展開。
「お気になさらず」
パルテナは戸を開けて退室する直前、振り返るとにっこり。
「ごゆっくりどうぞ」