ボク、紹介します!




――紹介したい人がいるんです!


ボクは意を決して告白した。

これだってそれなりに勇気を振り絞った。パートナーを紹介する、なんてもちろん恥じる話じゃないはずなんだけど情けない話が、緊張してしまって。

「紹介したい人ですか?」
「はいっ!」

ボクはらしくもなく手に汗を握らせた。

「いい奴なんです、ブラピも気に入ると思います!」

まあ、とその人は驚いた顔をしてみせた。

「でしたらブラピには私から伝えておきましょう」
「はいっ!」
「場所は私が手配しておきます。決まり次第、連絡しますね」
「ありがとうございます!」

ボクは腰を九十度に曲げて頭を下げた。

疚しいことはなかったがこれで安心して共同任務に出撃できる。説明もしていない内に鉢合わせして妙な勘違いをされては御免だ。

「ふふっ。楽しみですね」


けれどボクは知らなかった。

まさかこの時点で盛大な勘違いをさせてしまっていたなんて――
 
 
1/34ページ
スキ