災厄の君へ
第四正義部隊フォーエス部隊──!
「まったく」
多勢に無勢といった圧倒的不利と見て取れる状況下で誰より早く硬直の解けたスピカの近接攻撃を受け止めようとしたが刹那目前に影。リオンが目を見張る先でその人は小さく息を吐き出し構えた腕の隙間からスピカを見遣る。
「こんな形で君と相見える事になるとは」
ぎりぎりと押し合った後に力強く押し除けて。
「敵ながら失望するよ」
回し蹴り。文字通りの一蹴。
「参じるのが遅れてしまい申し訳ない」
ロックマンは振り返らないまま紡ぐ。
「怪我は?」
「……それは構わないが」
自分たちでさえこの場所が何処にあるのか分からなかったというのに何故彼らが──リオンが戸惑いを隠しきれないまま言うとロックマンはそこでようやく振り返ってにっこりと笑み。
「優秀な隊員が場所を教えてくれてね」
リオンは目を丸くする。
「……まさか」
肩を竦めてロックマンは前に向き直った。
「自慢の隊員だ」
顎を引けば途端に目のハイライトを失せて洗脳という形で正気を失っている仲間を静かに見遣る。
「……返してもらわなくてはな」