インヴァースの輪舞曲



何もそこまで──と思ったが思えばフォーエス部隊はこのバトルシステムにおける大乱闘を実戦と同じ重みのあるものとして挑む節がある。もちろんそればかりでもないだろうが此方側に言わせてみればもう少し肩の力を抜いて気楽に遊び感覚で挑んでほしいところ。

「よく言ってくれた」

と。口を挟んだロックマンはゆっくりと立ち上がると掛けられていた白衣をリドリーに返しながらルルトの目前にまで歩み寄った。

「それでこそ正義部隊だ」
「……隊長」

ロックマンはモニター画面を見上げる。

「相手は?」
「射撃タイプと格闘タイプだけど……」
「再戦を望まれているようだ」

確かに。表示された画面の中で相手チームのアイコンの下に待機中と出ている。

「気持ちは嬉しいけれど少し休みたいわ」
「ええーっやめちゃうんですかぁ!?」

声を上げたのはヨッシーである。

「あんなに煽られ──もが、」
「しぃー」

咄嗟に口を塞ぐカービィ。

「……煽り?」
「あー」

拾われてしまったらしい。

「気にしなくていいよ」

余計楽しめなくなるでしょと続けたが時既に遅しといったところか、ロックマンは目に焼き付ける勢いでモニター画面を見つめていた。

「いいだろう」

ロックマンはそう言って進み出る。

「……マック」

ひと声呼んで。

「来なさい」
 
 
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