インヴァースの輪舞曲
天空大都市レイアーゼ──中央司令塔。
今日この日第四正義部隊フォーエス部隊はとある目的の為に三階にある会議室に集まっていた。
「C社の依頼人なのですが」
定例会議である。
「不審な点がなければ」
意味などあるものかと一部の出席が
「まさか泳がせるなんざ言わねえだろうな」
「意義があるのなら」
「関係ねぇよ」
正義の欠片も見られないと思って半ば諦めかけていた隊員もご覧の通り。
「邪魔ならぶっ潰す。それだけだろうが?」
「君の意見に同意しよう」
「あらあら野蛮ですね」
「はん。今更だろ」
飛び交う声に揉まれて。
扉の閉まる音に誰も気付くのが遅れた。
「おかえりなさい隊長君!」
椅子の引く音に気付いてトレーナーが笑顔で声を掛けたのはロックマンである。恐らく誰より忙しくしているであろう彼が会議中にこうして電話で抜けるのはそう珍しい話でもない。
「……隊長君?」
ロックマンは黙っている。
「疲れてるんだよ」
ハルは視線を寄越さずに資料を整えながら。
「大丈夫?」
バンジョーが心配そうに顔を覗き込む。