インヴァースの輪舞曲
世界戦闘力一位──!?
まずオンライン対戦人数の上位三パーセント未満の上位の人たちだけが辿り着く境地、VIP帯に辿り着いていることは明白。そこまで行くと対戦後上下する世界戦闘力というのも負ければごっそり持っていかれるが勝っても貰える数字は微々たるものである。一体どれだけ連戦すればそこまで登り詰めるものか知らないが、連勝無敗であったことは間違いない。
何となく。やりそうだなとは思っていたけど。
そんなことある?
「ロックマン!」
急いで食事を終えて駆け付けた先。
「あ?」
振り向いたのは。
「り、リドリー」
ルーティは失礼ながら自分の顔がほんの少し引き攣ってしまうのが分かった。今はどういう意図でフォーエス部隊に属しているものか知らないが曲がりなりにも元亜空軍ともなれば警戒しないはずもない。そう思っていたのだが。
「あれ」
バトルルーム。未だオンライン対戦に明け暮れているものかと思いきや入り口から入ってすぐ横の壁に凭れ掛かり床に座り込んで。
無防備に。すやすやと。
「……えっと」
そうして眠っているロックマンに別段ちょっかいを出すでもなく自身の羽織っていた白衣を今まさに掛けたばかりというリドリーにとっては最悪であろう場面に出会してしまった。
「昔の貴方からは考えられないわね」
対戦を終えた様子のサムスが横目に呟く。
「何も企んでいないといいのだけれど」
「……あぁ?」
「けっ喧嘩なら大乱闘の方で──」