インヴァースの輪舞曲
はてさて。フォーエス部隊といえばこのシステムを使って大乱闘を遊ぶのも偶に訪れた時くらいなもので真の実力が如何程のものか知れない。確かに過去何度か親睦を深めるためだとか言ってトーナメントを開いたこともあったが彼らの実力そのものかと言えば首を傾げてしまうし。
要するに。気になっていたのだ。
彼らがこのオンライン対戦、──即ち広い世界においてどれだけ勝ち進めるものか否かを。
「何だよ」
その人はモニターを見上げながら。
「簡単じゃん」
あっさりVIP入りしちゃった!
「ぬおあぁあー!?」
物は試しとばかりにオンライン対戦に挑戦したパックマンがさくさくと連勝を果たしてVIPに登り詰めたのはほんの三十分と経たない内の出来事である。その様子を見守っていたローナは先程の強気な発言もあって阿鼻叫喚で詰め寄りながら。
「こっちは一週間もかかったんだぞ!?」
「二週間だよ」
レッドが苦笑気味に訂正する。
「知らないんだけど」
「むっきゃー!? 少しくらい先輩の顔を立ててやろうという気持ちはないのかい!」
すかさずネロの手刀が制裁。
「あだぁ!」
「だから知らないって」
パックマンは呆れ気味に。
「単にお相手さんの対策不足ってやつでしょ」
どうやら本当に暇潰し程度に挑戦してみたというだけで結果には然程興味がないらしい。それはそれとしてもこうもあっという間に駆け抜けられたのではその場に居合わせた戦士たちの闘気が沸き立つというもの。
「私もやりたーい!」
「順番だぞ」
勢いよく挙手するツツイを横目にコウ。
「チーム戦も出来るみたいだな」
「お父様、是非私と!」
「いいだろう」
「いやだから順番だって──」