井蛙の教訓



な、……なっ、

なんでエンダーマンが拙者の部屋に!?

「ひょ」

ゆっくりと此方を見るのだから思わず情けない声が出てしまった。慌てて顔を背けながら目を瞑ったがそもそも目隠しを施している事に気が付いて恐る恐る目を開けて向き直れば目の前。

「っっ!?」

床を擦る勢いで後退りして背中を扉にぶつけたがエンダーマンはじっと見つめている。


──彼は新規隊員と呼ぶには少し特殊でそれというのも気が付いたら使われていなかった寮の一室に住み着いていたという座敷童子のような存在で。ロックマンも採用した覚えがなければ何処からも話を何も聞かされておらずどうしたものかと悩んだ結果能力を見て正式に隊員に。

その能力は極めて特異なもので今でこそ大人しくしているがひと度視線が合わさったならその瞬間視線が合わさった対象をそれこそ世界の裏側、地の果てまで追いかけて攻撃の限りを尽くすという凶暴な性質を持っているのだから恐ろしい。


そんな彼が。何故か部屋にいる。


ミカゲはひくひくと口角を震わせた。こんな得体の知れない生き物を隊員として迎えるなんて隊長ちょっとどころじゃなくどうかしてるんじゃ……

「ひっ!」

かと思えば。今度は扉を叩く音。

ああもうどいつもこいつも。どうしてこうも立て続けに。ホラーゲームじゃないんだから──!
 
 
 
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